天然記念物の甌穴とダイナミックな景観!

飛水峡は、七宗町からお隣の白川町までの全長約12キロメートルにわたる峡谷です。このあたりの飛騨川流域一帯は、飛騨木曽川国定公園に指定されています。なかでも上麻生橋の上流約2kmの峡谷部分は、規模、数において日本有数の甌穴(おうけつ:ポットホール)が河床の岩盤の上に見られ、ロックガーデン(甌穴群)と称されるとともに、国の天然記念物に指定されています。
絶好の地層観察地
景観も良く、地層がよく表れている飛水峡は、地層の観察には絶好の場所です。中生代三畳紀~ジュラ紀のチャートや砂岩、頁岩などの地層が切り立った崖をつくり、とくに上麻生礫岩と呼ばれる礫岩層からは20億年前の片麻岩の礫が発見されたことで、日本最古の石として注目を集めました。日本列島誕生の歴史を物語る科学的にも重要な場所です。上麻生礫岩は、飛水峡を望む川岸に立つ日本最古の石博物館に展示されています。なお2017年、発見50周年を前に、島根県津和野町で25億年前の岩石が見つかり、日本最古の石ではなくなってしまいましたが、津和野町のご厚意により25億年前の花こう片麻岩の一部が寄贈され、日本最古の石博物館に展示されています。
うずを巻いて流れる飛騨川は、大小800あまりのポッドホール(おう穴)群を形成、国の天然記念物に指定されています。
また、この付近一帯の地質帯は「美濃帯・上麻生ユニット」に属し、中生代の三畳紀からジュラ紀の放散虫化石が発見されています。